8ヶ月でAWSエンジニア20名の採用に成功。「AWS特化のRPO」が強みを適切に訴求

2023.01.06
8ヶ月でAWSエンジニア20名の採用に成功。「AWS特化のRPO」が強みを適切に訴求
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エンジニアの採用難が深刻だが、ブランディングに注力し、自社の魅力を適切に伝えることに成功して、順調に採用が進んでいる企業もある。

デロイト トーマツ ウェブサービス(以下、DWS)も、そのうちの1社だ。

“2024年5月末までにAWS(Amazon Web Services)エンジニアを50名採用”という目標を掲げているが、2022年9月時点で、すでに30名ほどの内定を獲得。想定を遥かに上回るペースで採用が進んでいる。

採用成功の陰には、AWSエンジニアの採用ノウハウに長けたスカイアーチHRソリューションズ(以下、スカイアーチ)の存在があった。2021年12月から、採用ブランディングや候補者対応などを通じて、エージェントや候補者にDWSの魅力を伝える役割を担っているからだ。

DWSの代表取締役・国本廷宣とCTO佐々木悠人、スカイアーチHRソリューションズの代表取締役・池西耕平の3名が、ここまでの取り組みを振り返りながら、採用成功のポイントを語る。

エージェント活用は不安、採用ノウハウもない…結果、多くの人にリーチできず

DWSは、デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ リスクサービスが、2021年8月にAWS認定パートナー(APN アドバンスドティアサービスパートナー)であるMMMの全株式を取得し、その後の社名変更によって生まれた企業である。

DWSの事業のコアは、デジタル変革(DX)の実行支援。エンタープライズ企業を中心としたクライアントにとって、もっとも信頼されるテクノロジー面でのパートナー的存在になることを目指している。

AWSに特化したクラウド・インテグレーションに注力してきたMMMへには、年々多くの引き合いが寄せられるようになった。少数精鋭で対応してきたが、よりキャパシティを広げるため、デロイト トーマツ グループに参画。デロイトのブランド力も活用して、採用を強化し、チームを拡大しようとしていた。

“2024年5月末までにAWSエンジニアを50名採用”という目標を掲げたが、自社で採用を進める中でいくつかの課題に出合う。

まずは、ブランディング面。デロイトの知名度やパブリックイメージゆえに、難航する部分があった。

「デロイトと言えば、“堅牢なシステム構築に長けている”イメージが先行していて。DWSのように、DXの実行支援を行なっている組織体もあると、求職者になかなか知られていなかったのです」(国本)

また、そもそも採用手法が限られてしまっていたことも課題だった。能動的な採用活動は、オウンドメディアや採用プラットフォームを利用したもののみ。それらも、ノウハウが無いため、手探りで行っていたという。

「エージェントの利用も検討したものの、求める人物像や当社の企業特性を的確に理解した上で、候補者の方に訴求してもらえるのかが不安で。掛かるコストに見合う価値があると判断できなかったため、活用していませんでした。

ダイレクトリクルーティングも、運用コストが掛かるため見送りに。リファラル経由の採用はあるものの、どうしても数は限られてしまって。結果的に、広範囲で求職者の方にリーチすることができていませんでした」(国本)

デロイト トーマツ ウェブサービス 代表取締役 国本廷宣
デロイト トーマツ ウェブサービス 代表取締役 国本廷宣

同じAWSパートナーだから、客観的かつ的確に魅力を訴求できる

DWSは、AWSパートナーの中でも特色があり、フルリモートワークを容認するなど働き方の自由度も高い。それゆえ、国本と佐々木には「強みを適切に打ち出すことができれば、採用は順調に進むはず」との自信があったという。

ここで、強力な採用パートナーとなったのがスカイアーチだ。2021年12月から、ペルソナ設定、選考フローの簡易化、求人PR戦略を担ったり、エージェントを選定してエージェントとのコミュニケーション役となったり、書類選考や一次面接を担ったりと採用全般を支援している。

同じAWSのパートナー(APN アドバンスドティアコンサルティングサービスパートナー)である、スカイアーチネットワークスのグループ会社だからこそ、DWSの強みを客観的かつ正確に認識して、エージェントや候補者に伝えることができるのだ。

「DWS様は、AWS界隈でも技術力に定評のある有名企業です。同業界にいる私は、その魅力を十分に理解しています。しかし、AWSにそれほど詳しくないエージェントの担当者に対してその魅力を適切に伝えられなければ、ふさわしい候補者がいても、DWSではなく、わかりやすい名前の企業に紹介されてしまいます。

そこで、国本様と佐々木様から、改めてDWSの強みを教えていただき、私からその内容をエージェントの担当者に連携して。『同じAWSのパートナーから見て、この人数で、日本で5社しかいないAWS DevOps コンピテンシーパートナー認定を取得しているのは相当すごいことです』などと紹介しつつ、DWSの特異性を伝えたのです」(池西)

また、過去に人材業界を渡り歩いてきた池西のネットワークを生かして、複数のエージェントと強力なタッグを組むことに成功した。

さらに、候補者に対しても、客観的かつ正確な目線でDWSの魅力を伝えている。

池西はDWSの一次面接も担当しているが、そこでは30分ほど会社説明の時間を設け、“同じAWSパートナーから見たDWSの強み”を語っているのだ。さらに、一次面接の後半では、スカイアーチグループのトップエンジニアが技術面のチェックを担当している。

「DWSが必要とする人材は、スカイアーチで必要する人材とある程度対象が重なるため、自社での採用ノウハウを生かして対応しています。面接では、求職者のキャリアやスキルに応じて『こうした経験を積めば、AWSエンジニアとしての市場価値が高まりますよ』といった話もします」

こうした、AWSエンジニアに特化したスカイアーチならではのRPOの価値を、DWSも高く評価している。

「強みや魅力は、中にいるメンバーが直接語るより、スカイアーチから説明していただいた方が候補者に伝わるものです。実際、池西さんから聞いた話が決め手となって、当社に転職を決めたメンバーもいます」(佐々木)

デロイト トーマツ ウェブサービス CTO 佐々木悠人
デロイト トーマツ ウェブサービス CTO 佐々木悠人

肝は、ペルソナ設定とブラッシュアップ。立ち返る基準が必要

順調に採用が進んでいるが、中でも「採用成功に欠かせなかった」と国本が語るのが、DWSとスカイアーチ間で時間を掛けて行なったペルソナ設定のプロセスである。

「AWSの資格や言語などスキル面の条件を挙げるのは難しくありませんが、一方でカルチャーフィットする人材の定義が難しくて。佐々木と私の間では、阿吽の呼吸で共有していた人物像の言語化が大変でした。

池西さんから教えてもらった市況感や面接の結果も踏まえて、時間を掛けてペルソナをブラッシュアップしたことで、立ち返る基準ができたと思います」(国本)

一方の池西は、採用成功のためにDWSの協力姿勢が欠かせなかったと語る。

「理想の人物像があっても、そうした方を採用できるかどうかは市況感に影響されます。DWS様は、私たちからのアドバイスをもとに、『では、これは必須項目から外しましょう』といった対応を臨機応変にしてくれて。

『全部任せます』というスタンスではなく、採用に協力的だったからこそ、DWSと当社間の認識の乖離が無くなり、スムーズに採用が進んでいるのだと思います」(池西)

プロジェクトはまだ始まって8か月だが、想定以上のスピードで成果が出ている。

当初、チームは10名前後だったが、2022年9月時点で内定者を含めて20名ほどの採用に成功し、30名規模に。“2024年5月末までにAWSエンジニアを50名採用”という目標に対して、かなり前倒しで採用が進んでいる。

AWSエンジニアの採用市場は獲得競争が激しい。そのため、即戦力人材に加えて、ポテンシャル人材をどれほど採用できるかも肝になる。DWSは、ペルソナと照らし合わせて、ポテンシャル枠でも早期の成長と活躍が期待できる人材を次々と採用している。

「母集団形成も順調で、エージェント経由で毎月25名ほどがコンスタントに面接に進んでいます。最終面接から1時間で内定を出すなど、DWSの積極的な姿勢も入社承諾の獲得に繋がっていると思います」(池西)

最終的には“RPOなしで自走できる状態”を目指して

採用活動を通して、DWSには新たな発見もあった。自分たちがアプローチすべき候補者は、想像より広範囲にいるということだ。

これまではスタートアップからの転職メンバーが多かったが、最近ではコンサルティングファームや大手SIerで活躍しているメンバーからの応募も多く、入社に至る人も増えている。

「会社からはPMや管理職へのキャリアアップを期待されているけれど、自身はプレーヤーとしてエンジニアを極めたいという方と、当社の相性が良いようです。

新たな層にリーチできたのも、AWSパートナーの中でも実績が豊富で、実践的なAWSの支援をされているスカイアーチとタッグを組んで採用活動を行なえているからだと思います」(国本)

今後について、DWSは採用面でのさらなるパートナーシップの強化に加えて、事業面でもスカイアーチとの連携に意欲を見せる。DWSとスカイアーチは強みが異なるからこそ、ビジネス面でフォローし合うことも可能だからだ。

「順調に成果が出ているので、今後はAWSエンジニアだけではなく、人事など別のポジションの採用もスカイアーチにお願いする予定です」(佐々木)

「2025年度に、AWSのパートナー制度で最上位のパートナー認定である『AWSプレミアティアサービスパートナー』を取得できるよう、チームを拡大し、DXの実践を積み重ねている最中です。スカイアーチとは、採用面に限らず、いいビジネスパートナーとして、AWSのコンサルティングビジネスや実行支援でもシナジーを深めていきたいです」(国本)

一方、池西は直近の目標達成だけではなく、継続的かつ長期的なDWSの採用成功を見据えて、基盤を整えることに全力を注いでいる。

「将来的に私たちが抜けても、人事の方を中心に自走できる状態をつくりたくて。エージェントから『DWSさんにまず紹介したい』と思ってもらえるようなブランディング、そしてオウンドメディアの整備に、今は尽力しています」(池西)

ここ数年、エンジニアは転職活動時に、大手求人媒体ではなくエンジニアに特化した求人媒体を利用するようになってきた。今後は、領域や言語ごとに専門特化したエージェントも増えるはずと池西は予測する。

そうした中で、「AWSエンジニアの転職と言えば、スカイアーチ」「AWSエンジニアを採用するなら、スカイアーチ」と言われるブランドになるために。採用に協力的な、DWSのような企業とタッグを組みながら、スカイアーチはAWSエンジニアの採用知見をさらに深めていく。

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